はじめに
本日は分散投資について説明します。分散投資とは、金融商品、地域、時間を分散させることでリスクを軽減する投資手法です。
投資用語の『分散投資』について 説明するね。分散投資とは、金融商品の分散、地域の分散、時間の分散という3つの分散の考え方を使った投資手法のことなんだ。例えば資産運用において、投資対象を複数の金融商品や投資地域に分散させることを分散投資というんだよ。
『金融商品の分散』と『地域の分散』のことについては理解しましたが、『時間の分散』がどのようなものなのかがよくわかりません。
『時間の分散』とは、投資を継続的に一定期間行うことで、市場の上昇局面と下落局面を平均化し、投資結果を安定させることを目的とした分散投資の方法のことなんだ。投資を行うタイミングを分散させることによって、投資の平均取得価額を下げ、投資効率を向上させることができるんだよ。
『時間の分散』のことについて理解しました。ありがとうございました。
分散投資とその使い方
分散投資とは何か?
分散投資とは、投資リスクを軽減するために、さまざまな金融商品、地域、期間に投資を行う手法です。分散投資は、単一の金融商品、地域、期間に投資を行うよりも、投資リスクを軽減することができます。これは、単一の金融商品、地域、期間に投資を行うと、その金融商品、地域、期間の価格変動の影響を受けやすくなり、投資リスクが高まるためです。
例えば、株式投資の場合、単一の企業の株式に投資を行うと、その企業の経営状況や業界の動向などによって、株式の価格が変動するリスクがあります。しかし、複数の企業の株式に投資を行うことで、単一の企業の経営状況や業界の動向の影響を受けにくくなり、投資リスクを軽減することができます。
分散投資は、投資リスクを軽減するために有効な手法ですが、分散投資を行うことで投資リターンが減少する可能性もあります。これは、分散投資を行うことで、投資対象の金融商品、地域、期間の選び方が難しくなり、投資リターンを上げにくくなるためです。
したがって、分散投資を行う際には、投資対象の金融商品、地域、期間を慎重に選択することが重要です。
分散投資のメリット
分散投資のメリットは、投資リスクを軽減できることです。投資リスクには、市場リスク、金利リスク、為替リスク、信用リスクなどがありますが、分散投資によりこれらのリスクを軽減することができます。分散投資は、長期的な投資に適した投資手法です。
まずは、市場リスクの軽減です。市場リスクとは、株価や債券価格などの金融商品の価格が下落するリスクのことです。分散投資により、さまざまな金融商品に投資することで、特定の金融商品に集中して投資した場合と比べて、市場リスクを軽減することができます。
次に、金利リスクの軽減です。金利リスクとは、金利の上昇により債券価格が下落するリスクのことです。分散投資により、債券だけでなく、株や不動産など金利上昇の影響を受けにくい金融商品に投資することで、金利リスクを軽減することができます。
そして、為替リスクの軽減です。為替リスクとは、為替レートの変動により投資資産の価値が変動するリスクのことです。分散投資により、自国通貨だけでなく、他国通貨建ての金融商品に投資することで、為替リスクを軽減することができます。
最後に、信用リスクの軽減です。信用リスクとは、投資先の企業などが破綻して投資資産が失われるリスクのことです。分散投資により、さまざまな企業や団体に投資することで、特定の企業や団体に集中して投資した場合と比べて、信用リスクを軽減することができます。
分散投資の方法
分散投資を実施するための具体的な方法は、主に以下の3つです。
金融商品の分散
異なる資産クラス(株式、債券、不動産など)や、異なる業界や企業に投資することで、投資リスクを分散させる方法です。
この戦略は、「全ての卵を一つのかごに入れない」という考え方に基づいています。
- 資産クラスの分散: 株式、債券、不動産など、異なる種類の投資先に資金を割り当てます。例えば、株式が下落したときに、債券や不動産がその影響を相殺することがあります。
- 業界や企業の分散: 様々な業界や異なる企業に投資することで、特定の業界や企業が直面するリスクから保護します。例えば、テクノロジー株とヘルスケア株に投資することで、一方が不振でも他方がカバーできる可能性があります。
地域の分散
異なる国や地域に投資することで、経済や政治的なリスクを分散させる方法です。
特定の地域が経済危機や政治的不安に見舞われた場合でも、他の地域の投資がパフォーマンスを保つことができます。
米国株だけでなく、欧州やアジア、新興国の株式や債券にも投資することで、地域によるリスクの影響を軽減します。
時間の分散
時間の分散とは、定期的に少額ずつ投資すること(ドルコスト平均法)で、市場の変動リスクを分散する方法です。この方法では、市場価格が高いときは少ない株数を、価格が低いときは多くの株数を購入することになり、結果的に平均購入単価を下げることができます。
毎月同じ金額でS&P 500のインデックスファンドを購入することで、長期的に市場の上昇に乗りつつ、短期的な価格変動のリスクを軽減します。
投資の分散は、投資リスクを低減するための有効な方法ですが、分散投資をしても、投資元本が保証されるわけではありません。投資を行う際には、投資対象や投資手法をよく理解した上で、ご自身の投資目的に応じた分散投資を行うことが大切です。
分散投資の注意点
分散投資は、リスクを軽減するために有効な投資手法ですが、数多くの商品に投資することではなく、注意すべき点もあります。
1. 分散投資をしても、リスクがゼロになるわけではない
分散投資をしても、投資対象のリスクはゼロにはなりません。分散投資は、リスクを軽減するための手段であって、リスクをなくすための手段ではありません。そのことをきちんと理解した上で、分散投資を行ってください。
2. 分散投資は、投資対象の相関関係に注意が必要
分散投資を行う際には、投資対象の相関関係に注意が必要です。相関関係とは、投資対象の値動きが似ているかどうかを表す指標です。相関関係の高い投資対象を分散投資しても、リスクを軽減する効果は薄れます。
3. 分散投資は、投資対象の値動きに注意が必要
分散投資を行う際には、投資対象の値動きに注意が必要です。投資対象の値動きが激しい場合は、分散投資をしても、リスクを軽減する効果は薄れます。特にアクティブ型の投資信託や個別銘柄は、値動きが大きい場合があるのでそれらを購入する際には、分散の仕方によってはリスク低減の効果が得られにくいことがあります。地域経済の状況や投資サイクルなどを意識しながら、偏りがないような分散の仕方を組む必要があります。
4. 分散投資は、投資期間に注意が必要
分散投資を行う際には、投資期間に注意が必要です。投資期間が短い場合は、分散投資をしても、リスクを軽減する効果は薄れます。これは、投資期間が短いほど、投資対象の値動きが激しくなるためです。株の底値と高値を判断するのはプロの投資家でも至難の業です。実際に運用成績がいい人の特徴としてよく言われているのが、意外にも投資したことを忘れてしまっている人(放置している人)です。短期的な値動きに一喜一憂して売買するのではなく、投資したことを忘れるくらいに長期に保有しておく、または自動で定期的に定額の投資信託を購入するなど、購入日の基準値を気にすることのない投資環境が良いと思います。
5. 同じ動きをする資産同士を組み合わせてはいけない
ポートフォリオ全体でリスクが高ければ高いほど、期待リターンも高いという関係が成り立ち、分散投資したつもりでも、実際は本来の分散効果が得られません。全体としてリスクの高い資産の割合を増やしてしまうと、結果としてポートフォリオ全体のリスクも高くなっていきます。
その他の注意点
あまり多く書きすぎても混乱させてしまうかもしれませんが、下記の点は特に個別銘柄に投資するときには注意する点を挙げておきます。
- 過分散: あまりにも多くの資産クラスや地域に分散し過ぎると、銘柄の管理やメンテナンスが難しくなるだけでなく、購入時・売却時にかかるコストが増加する可能性があります。
- 市場の研究: 分散を効果的に行うためには、各資産クラスや地域の市場状況を理解することが重要です。無作為に分散するのではなく、投資先の選定には綿密な研究が必要です。
- 定期的な再バランス: 投資の割合が目標のポートフォリオから乖離してしまわないように、定期的な再バランス(バランスの調整)が必要です。これにより、リスクの適切な管理と投資目標の達成を保つことができます。
おわりに
今回は分散投資について解説しました。
分散投資はリスクを管理し、長期的な成果を目指す効果的な戦略です。自身の目標とリスク許容度に合わせた適切な分散を心がけ、市場の変動に柔軟に対応することが重要です。定期的な見直しを行い、投資戦略を適切に調整しましょう。分散投資は、賢い投資家の基本的なアプローチの一つです。